9セグ&N1分析は、顧客を分類して市場全体の構造を把握し、さらに実在する1人の声を深く読み解くことで、商品開発・ブランド戦略・広告施策に活かす考え方です。この記事では、9セグとN1分析の意味、違い、進め方、調査手法との使い分けを初心者にもわかりやすく解説します。

9セグ&N1分析とは?顧客理解を施策に変える考え方

9セグ&N1分析は、生活者を大きなかたまりとして見るだけでなく、「どの顧客層に注目すべきか」「その顧客はなぜ選ぶのか」といった顧客の行動や心理を明らかにするための考え方です。まずは、9セグとN1分析の基本的な意味と、それぞれの役割を整理します。

9セグとは、顧客を9つの層に分ける分析フレーム

9セグとは、顧客を行動面と心理面から分類し、ブランドと生活者の関係性を9つの層で捉える考え方です。たとえば、現在購入している顧客、以前は購入していたが離れた顧客、認知はしているが購入していない顧客、まだブランドを知らない顧客などを分けて見ます。

これにより、顧客の理解を深め、「売上が伸びない」という大きな課題などを、「認知不足なのか」「購入意向が弱いのか」「離反が多いのか」といった具体的な課題に分解できます。年齢や性別だけで顧客を分けるのではなく、ブランドとの関係性から見る点が特徴です。

N1分析とは、実在する1人の顧客を深く理解する手法

N1分析とは、実在する1人の顧客に注目し、その人の行動、感情、選択理由、迷い、購入前後の変化などを深く掘り下げる分析手法です。N=1と聞くと「たった1人では少なすぎる」と感じるかもしれませんが、目的は市場全体を1人に代表させることではありません。

重要なのは、平均値などの数値だけでは見えにくい具体的な動機やインサイトを発見し、商品企画や広告表現のヒントに繋げることです。たとえば、ある顧客が商品を選んだ理由を深く聞くことで、社内では気づいていなかった価値や、競合との差別化ポイントが見つかることがあります。

9セグとN1分析を組み合わせ、「分けて」理解を「深める」

9セグとN1分析は、別々に使うというよりも組み合わせて活用することで効果を発揮します。9セグは、市場や顧客全体を分類し、どの層に課題や成長機会があるかを見つけるためのものです。

一方、N1分析は、その中から注目すべき顧客を選び、なぜ購入したのか、なぜ離反したのか、何が心を動かしたのかを深掘りします。つまり、9セグは「見るべき顧客層を分ける」、N1分析は「その顧客の内面を深める」役割を持ちます。

9セグマップの仕組みをわかりやすく整理

9セグマップは、顧客を単純な年齢・性別・居住地だけで分けるのではなく、ブランドとの関係性で捉える点に特徴があります。行動軸と心理軸の2つを組み合わせることで、顧客が今どの状態にいるのか、次にどのように動かしたいのかを考えやすくなります。

行動軸では購買ファネルごとに顧客を分類する

行動軸とは、顧客がブランドに対してどのような行動段階にいるかを見る軸です。一般的には、「未認知」、「認知しているが未購入」、「過去に購入したが現在は購入していない」、「時々購入している」、「継続的によく購入している」といった段階で捉えます。

この分類によって、「そもそも知られていないのか」「知っているが買われていないのか」「買われた後に続いていないのか」といった購入の実態や分布が見えてきます。商品開発や販促施策を考える前に、課題の場所を特定しやすくなるのが特徴です。

心理軸では次回購入意向やブランド選好を見る

心理軸とは、顧客が次回も同じブランドを選びたいと思っているか、ブランドに対して積極的な気持ちを持っているかを見る軸です。現在購入している顧客でも、次回の購入意向が弱ければ、競合に移ってしまう可能性があります。

逆に、まだ購入の頻度が高くなくても、ブランドへの好意や期待が強い顧客は、今後の成長機会になることがあります。行動だけでなく、合わせて心理を見ることで、表面的な購入実績だけではわからないブランドの強みや弱みを把握できます。

9つの顧客層からブランド課題を読み解く

9セグマップでは、行動軸と心理軸を組み合わせて顧客層を整理します。たとえば、継続的によく購入しているロイヤル顧客の中にも、次回も購入したい積極層と、継続意向が弱い消極層が存在します。

一般顧客や離反顧客についても同じように、心理状態によって施策の方向性は変わります。

認知不足なら認知を高める施策、購入意向が弱いなら価値訴求を高める施策、離反が多いなら使用体験や満足度を改善する施策など、セグメントごとに打ち手を変えられる点が9セグの大きな利点です。

N1分析で見つける「選ばれる理由」と生活者インサイト

N1分析の目的は、顧客の発言をそのまま集めることではなく、発言の奥にある選択理由や生活者インサイトを読み解くことです。1人の具体的な経験を深く見ることで、社内の企画書や会議、他で行った定量調査の結果だけでは出てこなかった施策アイデアが見つかることがあります。

N1分析で深掘りするべき主な項目

N1分析では、購入した理由だけでなく、購入前に抱えていた課題、比較した商品、迷ったポイント、購入の決め手、使った後の感情変化まで聞くことが重要です。広告接触、店頭体験、口コミ、SNS、家族や友人の影響など、意思決定に関わる接点も確認します。

たとえば、食品であれば「なぜその味を選んだのか」だけではなく、「いつ食べるのか」「誰と食べるのか」「買う前に何と比べたのか」などより深くまで聞くことで、商品価値の見え方が変わります。

ペルソナ分析との違いは「実在性」にある

ペルソナ分析は、理想的な顧客像をプロフィールとして整理する手法です。一方、N1分析は、実在する1人の顧客の具体的な行動や感情をもとに考える点が異なります。

ペルソナは社内でターゲット像を共有するのに役立ちますが、作り方によっては想像や思い込み、期待などが入りやすくなってしまうことがあります。N1分析では、実際の顧客の言葉や経験を起点にするため、施策アイデアに現実感を持たせやすいのが特徴です。

顧客の発言を施策アイデアに変える視点

N1分析で得た発言は、そのまま広告コピーや商品仕様に使うのではなく、背景にある欲求や不満を読み解く必要があります。たとえば「使いやすい」という発言の裏には、時短、失敗したくない、家族に安心して使わせたいといった複数の意味が隠れている可能性があります。それらの発言を分類し、どの価値が購入意向や継続利用につながっているのかを整理することで、訴求軸、商品改良、販促施策、ブランドメッセージに展開しやすくなります。

9セグ&N1分析の進め方|調査設計から検証まで

9セグ&N1分析を実務で活かすには、思いつきでインタビューを始めるのではなく、調査目的、対象者条件、質問設計、仮説検証の流れを整えることが重要です。実際に調査を行う際の流れをイメージしやすいように、基本的な手順を5段階で整理します。

STEP1 調査目的とマーケティング課題を明確にする

まず最初に決めるべき一番重要なポイントは、「何を明らかにしたいのか」です。新商品の受容性を知りたいのか、既存商品の離反理由を探りたいのか、広告訴求を見直したいのか、明らかにしたいことによって、調査設計は変わります。

「若年層に売りたい」「ブランドを強化したい」といった抽象的な目的だけでは、対象者も質問項目も定まりません。売上、認知、購入意向、継続率、ブランドイメージなど、どの課題を解くための調査なのかを明確にしましょう。

STEP2 アンケート調査で9セグを作成する

9セグを作成するには、一定数の生活者データを集める必要があります。一般的にはインターネット調査などのアンケート調査を用いて、認知、購入経験、購入頻度、次回購入意向、競合利用状況などを確認します。

この段階では、個人の深い理由を聞くよりも、顧客全体がどの層に分布しているかといった市場の全体像を把握することが目的です。合わせて、自社ブランドと競合ブランドの9セグの分布を比較すると、自社が弱い層や伸ばせる層がより見えやすくなります。

STEP3 重要セグメントからN1対象者を選ぶ

9セグで全体像を把握したら、次にN1分析の対象者を選びます。たとえば、積極一般顧客、離反顧客、消極ロイヤル顧客など、ブランドの課題や成長機会に直結する層を優先します。

また、対象者選定では、「話しやすそうな人」ではなく、「なぜこの層を深掘りするのか」を明確にすることが大切です。購入を後押しした要因を知りたいのか、離反の原因を知りたいのかによって、選ぶべきN1は変わります。

STEP4 N1インタビューで購入・離反・選好の理由を探る

N1インタビューでは、事前に質問項目を用意しながらも、回答に応じて柔軟に掘り下げます。購入前の状況、課題認識、比較検討、購入の決め手、使用後の満足・不満、他者への推奨意向などを時系列で確認します。

重要なのは、顧客の発言を評価せず、具体的な場面を聞くことです。「なぜですか」と抽象的に聞くだけでなく、「そのとき何を見ましたか」「誰に相談しましたか」など、シーンやオケージョンと合わせて詳細に聞くことで、行動の背景が見えやすくなります。

なお、インタビューを実施する際は、調査目的、録音・録画の有無、発言内容の利用範囲、個人情報の取り扱いについて事前に説明し、対象者の同意を得ることが重要です。社内共有や資料化を行う場合も、個人が特定されない形で整理しましょう。

STEP5 仮説をコンセプトや施策に落とし込み検証する

N1分析で得た気づきは、仮説として整理し、商品コンセプト、広告訴求、販促施策、パッケージ改善などに落とし込みます。ただし、1人の発言だけで意思決定するのではなく、大きなミスリードを招くことがないように、複数のN1や追加のアンケート調査で検証することが重要です。

定性調査で見つけた仮説を定量調査で確認し、定量調査で見つけた傾向を再び定性調査で深掘りする。この往復によって、施策の精度を高めやすくなります。

定量調査・定性調査・会場調査(CLT)・ホームユーステスト(HUT)との使い分け

9セグ&N1分析は、単独で完結するものではなく、アンケート調査、定性調査、会場調査(CLT)、ホームユーステスト(HUT)、オンラインインタビューなどと組み合わせることで実務に活かしやすくなります。調査手法ごとの役割を理解すると、自社課題に合う進め方を判断しやすくなります。

調査手法主な目的向いている場面9セグ&N1分析との関係
アンケート調査顧客分布や傾向の把握市場全体の構造を知りたいとき9セグ作成に活用しやすい
定性調査理由・感情・価値観の深掘り購入理由や離反理由を知りたいときN1分析も定性調査に属する
会場調査(CLT)会場での商品評価試作品や広告案を比較したいとき仮説検証に使いやすい
ホームユーステスト(HUT)実使用環境での評価自宅で使う商品の体験を見たいとき使用実態の検証に向く
FAST ODI短期間のオンラインインタビュー早く生活者の声を聞きたいとき簡易的なN1分析に活用しやすい

アンケート調査は顧客分布や傾向を把握しやすい

アンケート調査は、インターネット調査などを活用し、多くの回答者から定量データを集め、顧客の分布や傾向を把握するのに向いています。9セグを作成する際にも、認知、購入経験、購入頻度、次回購入意向などを数値で確認するために活用できます。

一方で、アンケートだけでは「なぜその選択をしたのか」という深い理由までは見えにくいことがあります。そのため、9セグで課題層を見つけた後、N1分析や定性調査で背景を掘り下げる流れが有効です。

定性調査は理由や感情、意思決定の背景を探りやすい

定性調査とは、インタビューや観察などを通じて、生活者の言葉、行動、感情、価値観を深く理解する調査です。N1分析も、この定性調査の一つで、購入理由や離反理由、ブランドへの違和感、競合を選んだ背景などを掘り下げる際に役立ちます。

特に、本人がすぐには言語化できない不満や期待を探る場合、デプスインタビューやオンラインインタビューが有効です。複数人で話すグループインタビューよりも、個人の深い事情を聞きたい場合は、1対1のインタビューが向いています。尚、N1分析は対象がN=1であるため、必然的に1対1のインタビューとなります。

会場調査(CLT)は会場で商品評価や比較評価を行う調査

会場調査(CLT)は、対象者に会場へ来てもらい、商品やパッケージ、広告案などを評価してもらう調査です。食品、飲料、日用品、化粧品など、実際に試した感想を比較的コントロールされた環境で確認したい場合に向いています。

9セグやN1分析で得た仮説をもとに、複数の試作品や訴求案を評価する場面で活用できます。ただし、会場環境での評価になるため、日常生活での使われ方とは異なる点に注意が必要です。


ホームユーステスト(HUT)は自宅など実使用環境で体験を確認する調査

ホームユーステスト(HUT)は、商品を対象者の自宅などに送付し、一定期間使ってもらったうえで評価を集める調査です。実際の生活環境で使ったときの満足度、不便さ、継続意向、家族の反応などを確認しやすい点が特徴です。

N1分析で見つけたインサイトを商品改良に反映した後、HUTで使用体験を検証する流れも考えられます。特に、日常的に使う商品や、使用期間を経て評価が変わる商品の検証に向いています。


FAST ODIはスピード重視のN1分析に活用しやすい

日本インフォメーションが提供するFAST ODIのようなセルフ型オンラインインタビューは、短期間で生活者の声を聞きたい場合に活用しやすい手法です。新商品発売直後の反応、広告出稿後の印象、企画初期の仮説探索など、スピードが求められる場面に向いています。

一方で、複雑な調査設計や高度なモデレーションが必要な場合は、通常のデプスインタビューや調査会社による設計支援を検討した方がよいケースもあります。目的に応じて使い分けることが重要です。


9セグ&N1分析のメリット・デメリット

9セグ&N1分析は、顧客理解を深め、施策の方向性を明確にするうえで有効です。ただし、単独ですべてが明らかになるような万能な手法ではありません。

メリットだけでなく、設計や解釈を誤った場合のリスクも理解しておくことで、実務での失敗を防ぎやすくなります。

メリットはターゲットと施策の解像度が上がること

9セグ&N1分析の大きなメリットは、誰に向けて、どのような価値を伝えるべきかが具体化しやすくなることです。9セグで顧客層を分類すれば、その顧客層の分布を元に、認知拡大が必要なのか、購入意向の向上が必要なのか、離反防止が必要なのか、課題を顕在化し、その課題に対する優先度が整理できます。

さらにN1分析で顧客の行動や感情を深掘りすれば、広告コピー、商品改良、販促施策、ブランドメッセージに活かせる具体的なヒントを得やすくなります。社内で顧客像を共有しやすくなる点もメリットです。

デメリットは設計次第で主観的な解釈に偏ること

N1分析は1人の顧客を深く見る手法であるため、分析者の思い込みや都合のよい解釈が入りやすい面もあります。特に、最初から売りたい施策が決まっている場合などには、顧客の発言をその施策に合わせて解釈してしまう危険があります。

また、9セグの設問設計が不十分だと、顧客層の分類自体が曖昧になります。分析の精度を高めるには、調査目的、対象条件、質問設計、分析基準を事前に整えることが不可欠です。

失敗を防ぐには定量と定性を行き来する

9セグ&N1分析を実務で活かすには、定量調査と定性調査を行き来する姿勢が重要です。定量調査で9セグなどで市場全体の構造を把握し、N1分析などの定性調査で理由や感情を深掘りし、その結果を元に、再び定量調査で仮説の検証や広がりを確認します。

この往復を行うことで、「1人の強い声」に過度に引っ張られるリスクを抑えつつ、平均値だけでは見えないインサイトも取り入れられます。調査結果を施策に変えるには、このバランスが欠かせません。

向いているケース・向いていないケース

9セグ&N1分析は、商品開発やブランド戦略に幅広く活用できますが、すべての課題に同じように向いているわけではありません。どのような場面で効果を発揮しやすいのか、逆に別の調査手法を優先すべきケースはどこかを整理します。

新商品開発やリニューアルでは特に活用しやすい

新商品開発や商品リニューアルでは、生活者が何に困っているのか、既存商品にどのような不満を感じているのかを深く理解する必要があります。9セグで狙うべき顧客層を整理し、N1分析で具体的な使用場面や選択理由を掘り下げることで、よりターゲットに響く商品コンセプトを作りやすくなります。

特に、競合商品との差別化が難しい市場では、生活者の小さな違和感や未充足ニーズが重要なヒントになります。

広告・販促では訴求軸の発見に役立つ

広告や販促施策では、どのような言葉やビジュアルが顧客の心を動かすのかを知ることが重要です。N1分析では、顧客が商品を知ったきっかけ、比較した情報、購入を後押しした言葉、購入後に感じた価値などを具体的に聞くことができます。

9セグと組み合わせれば、認知未購入層には何を伝えるべきか、離反顧客には何を改善すべきか、ロイヤル顧客には何を強化すべきかといったような、ターゲット毎の課題とその改善策を考えやすくなります。

十分な仮説や調査対象がない場合は設計から見直す

9セグ&N1分析は、調査目的や対象者条件が曖昧なまま始めると、結果を施策に活かしにくくなります。たとえば、「何となく顧客の声を聞きたい」という状態では、誰に何を聞くべきかが定まりません。

また、ニッチな商品やBtoB商材などで対象者の出現率が低い場合は、リクルーティングの設計が重要になります。必要に応じて、事前のスクリーニング調査や調査会社への相談を行うとよいでしょう。

9セグ&N1分析に関するFAQ

9セグ&N1分析を検討する際には、実施順序、インタビュー人数、社内実施の可否、他の調査手法との違いなど、細かな疑問が出てきます。担当者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で簡潔に整理します。

よくある質問

Q.

9セグとN1分析はどちらから始めるべきですか?

基本的には、まずインターネット調査などのアンケート調査で9セグを作成し、顧客全体の分布や課題を把握してから、重要セグメントのN1分析を行う流れがわかりやすいです。ただし、企画初期で仮説がまったくない場合は、先に少人数の定性調査を行い、仮説を作ってから定量調査に進む方法もあります。

Q.

N1分析は何人にインタビューすればよいですか?

N1分析は「1人だけで完了する」という意味ではありません。まず1人を深く理解し、そこから得た仮説を他の対象者にも確認していくことが重要です。実務では、目的や予算に応じて複数名にインタビューし、共通点と違いを整理します。人数よりも、どのセグメントの誰に聞くかが重要です。

Q.

N1分析だけで商品企画を決めてもよいですか?

N1分析だけで最終判断するのはリスクがあります。N1分析は、生活者インサイトや施策アイデアを見つけるには有効ですが、そのアイデアがどれだけ多くの人に当てはまるかは別途確認が必要です。必要に応じて、インターネット調査などのアンケート調査、コンセプトテスト、CLT、HUTなどで検証するとよいでしょう。

Q.

社内だけで実施できますか?

簡易的なN1インタビューであれば、社内でも実施できます。ただし、対象者の選定、質問設計、モデレーション、分析に慣れていない場合は、結果が思い込みに偏る可能性があります。重要な意思決定に関わる調査では、調査会社に相談し、設計や分析のサポートを受けることも検討すると安心です。

Q.

FAST ODIはどのような場面に向いていますか?

FAST ODIのようなセルフ型オンラインインタビューは、短期間で生活者の声を聞きたい場面に向いています。たとえば、新商品発売直後の反応、広告出稿後の印象、企画初期の仮説づくり、N1分析の簡易実施などです。一方、難易度の高い対象者条件や複雑な調査設計が必要な場合は、従来型の定性調査も検討するとよいでしょう。


顧客の声から、次の一手を見つけよう

9セグ&N1分析は、顧客を数字で分類するだけでも、1人の声を聞くだけでもありません。市場全体の構造を見ながら、実在する生活者の言葉や行動を深く読み解き、商品開発・ブランド戦略・広告施策に活かすための考え方です。

自社の課題に合う調査手法を選ぶには、定量調査と定性調査の役割を整理することが大切です。9セグで顧客層を把握し、N1分析で選択理由やインサイトを深掘りする。その結果を元に、さらにCLT、HUT、オンラインインタビュー、FAST ODIなどを目的に応じて組み合わせれば、施策の精度を高めやすくなります。

新商品開発、商品リニューアル、広告施策、ブランド評価、消費者理解に課題を感じている場合は、まず関連資料やセミナーなどで調査手法の基本を確認してみましょう。自社だけで設計が難しい場合は、調査目的や対象者条件を整理したうえで、マーケティングリサーチ会社に相談することも有効です。

執筆者プロフィール

監修:斎藤啓太

日本インフォメーション株式会社 代表取締役社長
日本マーケティング・リサーチ協会 理事 
情報経営イノベーション専門職大学【iU】 客員教授

プロフィール
損害保険ジャパンでの法人営業を経て、大手マーケティングリサーチ会社に入社。多くのオフライン調査の実査現場を担当した後、リサーチャーとして主に自動車(耐久消費財)領域の調査企画から分析まで一貫して従事。生活者のリアルなインサイト抽出に強みを持つ。 
2010年に当社へ参画後は、食品・飲料・化粧品・トイレタリーなど消費財メーカーのマーケティングリサーチを多数支援。新規顧客の開拓をはじめ、社内における新たなリサーチ手法やデータ分析メソッドの確立を牽引。2019年に代表取締役社長へ就任後も、リサーチ実務の第一線に立ち続け、多数の社内外マーケティングセミナーに登壇。2021年より日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)理事を務めるほか、iU情報経営イノベーション専門職大学の客員教授としてデータサイエンスやマーケティングリサーチの講義を行うなど、実務と学術の両面からマーケティングやリサーチ業界の発展に尽力している。

発信実績
登壇セミナー:顧客理解の深化がブランドを育てる リサーチ×コミュニティから始めるCEP設計AI・UGC・アンケート・リサーチで探る真相心理顧客がどう”売上”に貢献するか? 熱狂的ファンと実現する共創マーケティングのはじめ方 、​ベテランリサーチャーがおすすめする「読むべき本 2023」デジタルトランスフォーメーションやコロナで変わるマーケティングリサーチの事例ご紹介 など

執筆:日本インフォメーション 広報

プロフィール
1969年創業、50年以上の実績を持つマーケティングリサーチ会社。食品・化粧品などの日用消費財メーカーから金融機関・学術機関まで幅広い業界のリサーチ課題に対応し、企画設計から分析・報告まで一貫してサポート。特にオフライン調査の年間実施件数は業界トップクラスを誇る。蓄積されたノウハウを活かし、無料調査レポートやセミナーを通じて実務に役立つ情報を発信している。

発信実績
無料調査レポート:レポート執筆90件突破
セミナー:累計参加者数4,000人超