これからの文化や消費を担うと言われているZ世代の価値観については、メディアでも多くをにぎわせています。しかし、SNS上で着飾り脚色された彼らから等身大の姿を見ることは困難を極めます。
日本インフォメーション株式会社は、これまでもZ世代の価値観や生活実態について独自に研究を行ってきました。
今回は「推し活」研究の第3弾です。推し活の実態や価値観、経済への影響について多角的に確認するためにインターネット調査を実施しました。その結果をレポートします。
・過去の研究結果はこちらからご覧いただけます。
▼推し活研究シリーズ
✓「Z世代のイマ~新たな美意識と推し活・オタ活編~」
✓「Z世代のイマ~推しがいれば彩る生活~ |
▼その他Z世代研究シリーズ
✓「Z世代の新たなSNS活用術から読み解く新潮流」
✓「Z世代のイマ~食意識編~」
✓「Z世代のイマ~分類して解像度をあげよう編~」
✓「Z世代のイマ~アルコールとの距離感~」
✓「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」
✓「Z世代のイマ~若者のお金事情~ | 好きなことは惜しまずお酒・交際費は節約モード、今後を考え投資も視野に!」
✓「Z世代のイマ~変化する消費とお金のカタチ~|好きなことや経験に優先消費 投資やキャッシュレスは発展途上」
今回の発表にあたり実施した自主調査クロス集計データ(属性別分析を含める)、報告書を無料にて配布しております。
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※ご希望の資料欄に「#80_Z世代のイマ~推し活のリアルと消費への影響~」とご記載ください
調査概要
調査地域: 日本全国
調査対象: 16~44才男女
サンプルサイズ: 914サンプル

調査方法: クローズドモニターへのインターネットリサーチ
調査実施期間: 2025年4月11日~4月14日
Z世代を取り巻く「推し活」文化

推し活という言葉が浸透してきている今、特にZ世代では「推し」の存在が当たり前となっています。SNSや動画配信サービスの普及により、推しとの距離がかつてないほど近くなった現代。Z世代は、アイドルや俳優だけでなく、YouTuberやインフルエンサー、さらにはアニメキャラクターや企業の公式キャラクターまで、幅広い対象に「推し」を見出し、日常の中でその存在を積極的に応援しています。さらに、グッズの購入や推しが起用された商品・サービスの購入など、「推し消費」と呼ばれる行動も活発化しており、推し活は個人の趣味を超えて経済活動にも影響を与える存在となっています。
今回の調査では、Z世代の推し活について、行動の実態や経済活動への影響を中心に深く掘り下げました。
調査結果について
■調査から得られたファインディングス
Findings1
Z世代女性は推し活に時間と投資を注ぐ人の割合が最も高い一方、Y世代女性は家庭との両立で制約も
推しがいる人はZ世代女性75.4%、Z世代男性は56.1%、Y世代女性51%と、Z世代女性では他の性別・年代よりも推し活への関心が高いことが窺える。また、Z世代女性は推し活へかける時間・費用の平均も多く、惜しみなく投資していると推察される。一方、Y世代女性はZ世代女性と比べて時間・費用が少なく、家庭との両立の上で推し活をしている方も多いのではないだろうか。また、Z世代男性はZ世代女性に比べ推し活へかける平均時間の差は少ないが、平均費用では5000円程度差があり、より気軽な推し活をしていることが窺える。
Findings2
推し活の内容はグッズ購入や音楽・作品鑑賞が上位、趣味・楽しみが目的の圧倒的1位
推し活の内容としてはグッズ購入や推しの音楽・作品の鑑賞、SNSフォローなど、日常的に気軽にできる推し活が上位に挙がる結果となった。推し活の目的としても趣味・楽しみが圧倒的に1位となり、推し活が日常的に行われ、日々のモチベーション向上やストレス解消にもつながっていることが推察される。
Findings3
推し活の情報収集源は公式SNSが主流、特に公式Xが1位を独占。Z世代は推しとの出会いにもSNSが上位に
全体として公式のSNSが上位に挙がり、その中でも公式Xがほとんどの世代・性別・ジャンルで1位を占める結果に。公式以外のXも1~3位に多く挙がっており、情報収集に使いやすいツールの1つとなっていることがわかる。Z世代では推しとの出会いとしてもSNSが上位に挙がり、普段からSNSを活用して情報収集していることが窺える。
Findings4
推し起用の商品・サービスは7割が購入意欲アップ!推し活が購買行動に影響
推しを起用した企業の商品・サービスへの購入意欲は約7割が高まる結果となった。推し活内容として、グッズ購入も上位に挙がっていることからも、気軽にできる推し活でもあり、身近に推しの活躍を感じられることをうれしく思う人も多いのではないだろうか。
Z世代は「推し」がいるのが当たり前?
「推しのジャンル」について、世代および性別、オタク度を軸に確認しました。その結果、Z世代女性の75.4%には推しがおり、Y世代女性、Z世代男性よりも割合が多い結果となりました。加えて、Z世代女性およびガチ勢の推しのジャンルは、「J-POPアイドル・アイドルグループ」が1位という結果に。近年、アイドルのオーディション番組が頻繁に行われていることや、男女問わず多くのアイドルグループが存在し、SNS等でも頻繁に話題に挙がることが影響しているのではないでしょうか。また、SNSやテレビ等でも「推し活」というワードは日常的に使われているため、特にZ世代は、「推し」がいることへのハードルが低くなっていると考えられます。

推し活に時間と出費をかけるZ世代 Y世代は家庭と両立で制約も

「推し活にかける費用と時間」について、世代および性別、オタク度、推しのジャンルを軸に確認しました。 「費用」に関して、Z世代女性はガチ勢も多いことから、費用も多くかける人の割合が多いことが分かりました。また、アイドル・歌手系の推し活では、コンサートやイベントに伴って、グッズを買う機会もより多いことが考えられることから、平均金額も高くなっている様子が窺えます。ライト勢は1万円以下選択者が87.1%を占める一方で、ガチ勢は53.1%が1万円以上を選択する結果となっており、ライト勢はSNS等での応援やメディア視聴など、費用がかからない推し活がメインとなっていますが、ガチ勢ではコンサートやイベント、遠征などの費用がかかる推し活をする人が多いことが予想されます。

続いて「時間」に関しては、推し活にかける費用と同様に、Y世代女性は10時間以下選択者が57.9%を占めており、Z世代よりも時間をかけない人が多い結果となりました。Y世代女性は家族との時間も多くなり、推し活にかける時間が少ない様子が窺えます。また、ガチ勢は平均時間が44時間という結果となり、日常生活の中でも推し活をすることが当たり前になっていることが考えられます。
推し活、何してる?なぜ推すの?
「推し活の内容」について、世代および性別、オタク度、推しのジャンルを軸に確認しました。 全体として、グッズ購入や推しの音楽・作品鑑賞、SNSが多く選択されており、公式から供給されるものが上位となりました。その反面、推しの応援グッズやファンレターの作成など、手間や時間・労力が多くかかるものは少ない傾向ですが、ガチ勢は全体的に選択率が高い結果でした。

推し活の最大の目的としては、趣味・楽しみが圧倒的に1位でした。また、どの世代、性別でも趣味・楽しみとして推し活をすることが日常になっている様子も窺え、今後も「推し活」は広まっていくと考えます。 
情報収集源は公式SNSが主流

「推し活での情報収集源」について確認したところ、全体として公式のSNSが上位に挙がっており、性別・年代・オタク度・ジャンル関係なく使用されていることが分かりました。どのようなジャンルの推しでも、基本的には公式SNSをもっていることが多いことが要因だと考えられます。ただ、SNSの中だとTikTokは予想よりも選択率が低く、TikTokは情報収集源としてではなく、あくまでも動画を見て楽しむ目的で使用しているのではないかと考えられます。

購買意欲を動かす推しの存在感

推しを起用した企業の商品・サービスは購入意欲が高まるのかを確認したところ、全体的に購入意欲は高まる傾向となり、推しの存在が購買行動に影響を与えることがわかりました。また、推し活の内容として、グッズ購入も多く挙がっていたことからも、推しに関連したものを購入することは身近にできる推し活でもあり、身近に推しの活躍を感じられることをうれしく思う人も多いのではないでしょうか。

推し活のリアルと消費への影響

本調査を通じて、Z世代にとって推し活は、日常の一部であり、消費行動にも強く影響を与える文化であることが浮き彫りになりました。推しが関わる商品・サービスへの購入意欲は高く、グッズ購入などの“推し消費”も活発です。企業にとっては、Z世代の共感や応援の気持ちに寄り添った商品設計や情報発信が、ブランドとの接点を生む鍵となります。今後は、推し活の文脈を理解したマーケティングが、Z世代との関係構築のヒントになるかもしれません。
以上、「Z世代のイマ ~推し活のリアルと消費への影響~」として結果のレポートをお伝えしました。
日本インフォメーションでは、今後もZ世代の持つ特徴をテーマ別にレポートし、変化の激しいZ世代の動向をウォッチしてまいります。
今回の発表にあたり実施した自主調査のクロス集計データ(属性別分析を含める)、報告書を無料にて配布しております。
ご希望の方は「資料請求はこちら」からお気軽に問い合わせください。
※ご希望の資料欄に「#80_Z世代のイマ~推し活のリアルと消費への影響~」とご記載ください
■会社概要
会社名:日本インフォメーション株式会社
所在地:東京都中央区銀座3丁目15-10JRE銀座三丁目ビル4F
代表取締役社長:斎藤啓太
資本金:5,500万円
設立:1969年12月1日
URL:https://www.n-info.co.jp/
事業内容:マーケティング・リサーチ事業、マーケティングコンサルティング 他
■本調査・リリースに関する問い合わせ先
日本インフォメーション株式会社 担当 :磯部・高澤
E-mail : ni_inquiry_report@n-info.co.jp