これからの文化や消費を担うと言われているZ世代の価値観については、メディアでも多くをにぎわせています。しかし、SNS上で着飾り脚色された彼らから等身大の姿を見ることは困難を極めます。
日本インフォメーション株式会社は、これまでもZ世代の価値観や生活実態について独自に研究を行ってきました。
そこで「Z世代」のインサイトに近づくべく、幅広い項目(※1)について意識や行動に関して聴取するインターネット調査を行いました。※1:食品飲料品の購入実態、時間の使い方、消費行動(お金)、推し活、気持ち・考え方 等
✓「Z世代の新たなSNS活用術から読み解く新潮流」
✓「Z世代のイマ~食意識編~」
✓「Z世代のイマ~新たな美意識と推し活・オタ活編~」
✓「Z世代のイマ~分類して解像度をあげよう編~」
✓「Z世代のイマ~アルコールとの距離感~」
✓「Z世代のイマ~推しがいれば彩る生活~ |
✓「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」
今回はそのデータを基に、Z世代の持つ特徴をZ世代を一括りにせずに、世代の中でどのような価値観の差異が見られるのか確認しつつ、Z世代のお金に対する考え方や行動について考察いたしました。
今回の発表にあたり実施した自主調査クロス集計データ(属性別分析を含める)、報告書を無料にて配布しております。※聴取内容(食品飲料品の購入実態、時間の使い方、消費行動(お金)、推し活、気持ち・考え方 等)
ご希望の方は「資料請求はこちら」からお気軽に問い合わせください。
※ご希望の資料欄に「Z世代のイマ~若者のお金事情~」とご記載ください
調査概要
調査地域: 日本全国
調査対象: 16~26才男女
サンプルサイズ: 1,616サンプル
調査方法: クローズドモニターへのインターネットリサーチ
調査実施期間: 2023年8月2日~8月17日
Z世代のお金事情
新しいトレンドや流行を作り出すZ世代。例えば、推しの誕生日にデコレーションケーキでお祝いしたり、フィルムカメラで写真を撮ったり、現在の20代が幼少期のころに夢中になったキャラクターコンテンツのリバイバルが彼らの間で流行しています。それらの、モノだけではなくその先の精神的な満足を満たすための「エモ消費」はZ世代特有の価値観かもしれません。Z世代の定義は諸説ありますが、1995年ごろから2010年ごろまでに生まれた若者のことを指します。20代に差し掛かった人も増えて消費が活発になることも想像できますし、Z世代の消費行動やお金に対する意識を理解することは今後の市場成長にも関連すると考えます。
また、2022年4月から高校で金融教育が義務化されたりと、若年層のうちから貯蓄や投資をしようとする働きかけが強まってきました。そのようななかでZ世代の貯蓄や投資の実態はどのようになっているのか、確認していきましょう。
調査結果について
■調査から得られたファインディングス
Findings1
最もお金をかけているのは「食費」だが、実態は積極的/節約層に意見が分かれる。自分の好きに投資したいZ世代にとって「スイーツ、飲料、交際費、お酒」など、お酒や飲み会など他者との交際関連費は節約対象
現在お金をかけている上位2項目は「食費※外食以外」「外食費」で、食に対する消費意欲が高いことが窺える。しかし、誰に対して使うかで意見が分かれている。親交の深さ次第とは思うが、Z世代は浅い関係の他者とのコミュニケーションにコスパの悪さを感じる一方で、「推し活・オタ活」や美容関連など、自分の好きな特定の領域にはお金をしっかり使うような意識が垣間見られた。
Findings2
サブスクの利用ピークは「大学生」。「動画配信、音楽系」サブスクの現利用率が高く、今後利用したいサブスクは「スポーツ・ジム、学習、オンライン英会話」が人気。Z世代の自己研鑽意欲の旺盛さを感じる
今では当たり前の消費形態となったサブスクの利用率は、全体で約4割。大学生が利用のピークであり、社会人になると利用率はやや下がる。社会人は金銭面でサブスク利用の選択肢は広がるように思えるが、受験対策で親が学習や英語関連に費用を出してくれたり、学割利用が効かなることなどが起因していると推察される。
Findings3
Z世代男性を中心に「投資」への興味・関心は高まる。女性は男性に比べやや受け身姿勢も
全体の半数以上が何かしらの手段でお金に関する知識・情報など金融リテラシー知識を得ており、Y世代以上よりも金融リテラシーへの関心が早期からあることが窺える。男性は女性と比較すると、不安や危険性を感じていつつも、実際に投資行動を行っている層がやや多い。
Findings4
Z世代の貯蓄や投資、節税対策の理由は、~不安な未来のために~。男性は自身のキャリア、女性は(将来の)家族や子どものために備えたい
約7割が「普通預金」をしており、所謂「投資」は普通預金と比較して半数以下の実施に留まる結果。「投資」への興味・関心は高まりつつあるが、全体としてはまだまだ実施へは至っていない様子。男女では傾向が異なり、男性は「資格取得、スキルアップのため」など自身のキャリアと結びつく理由が目立ち、女性は「購入したいものがあるから」「推し活・オタ活」等の自己の趣味や「家族」など自分以外のためとするのが特徴的。
もっとお金をかけたいこと
まずは、Z世代がどのようなものにお金を使いたいのかを確認しました。
現在お金を使っていてもっとかけたいものでは「食費※外食以外」「外食費」が目立ち、食に対する消費意欲が高いことが窺えます。加えて「推し活・オタ活」「旅行・レジャー・ファッション」「スイーツ」などZ世代らしく自分が好きなものにもっとお金をかけたいといった意欲も見られました。現在はお金を使っていないけれど今後お金をかけたいものでは「投資」が挙がっていて、流行に敏感な彼らは投資ブームにもアンテナを張り、先の資産形成にも興味がある様子が窺えます。
節約したいこと
反対に、Z世代が節約したい対象はどのようなものなのか確認しました。
その結果、もっとお金をかけたいといっていた「外食費」「食費※外食以外」が節約したいものにも挙がっています。食に対する意識は、『美味しいものを追求しより費用をかけたい層』と『節約対象と見ている層』で意見が分かれているようです。また、「お酒」 「交際費」 「飲料」 「スイーツ」 など、飲み会など他者との交流が絡むような項目が挙がっていますが、その反面、「推し活・オタ活」や美容関連は、減らすつもりはないものとして分類されました。自分が好きな領域のものに集中的にお金を使い、お酒等のコミュニケーションツールは意識が低下気味です。
サブスク利用は大学生がピーク、そこには学割の影響も?
今では当たり前な消費形態の「サブスクリプション ※以降サブスク」についてZ世代ではどのくらい浸透しているのでしょうか。確認してみましょう。
利用率は全体で4割程度です。職業別でみると、大学生が利用のピークで高校生より10ポイントも上昇しています。金銭面で余裕が生まれる社会人の方がサブスク利用の選択肢が広がるように思いましたが、利用率はやや下がります。その背景には、大学生までを適用範囲とする学割を提供しているサブスクが多いことも影響しているかもしれません。
自己研鑽のためのサブスク利用に意欲が垣間見える
サブスクについて、現在利用しているものと今後利用したいものを確認しました。
利用率が高いのは「動画配信系」「音楽系」です。今後利用したいのは「スポーツ・ジム、学習、オンライン英会話」が人気です。Z世代の自己研鑽意欲の旺盛さを感じます。
お金に関する知識・情報はどこから手に入れている?
続いて、Z世代はお金に関する知識・情報など金融リテラシーの情報をどこから入手しているのか確認しました。
その結果、半数を超える5割強が何かしらの手段で知識を得ていることが分かり、Y世代以上よりも金融リテラシーへの関心が早期からあることが窺えます。女性は親やSNSなど受動的にも得られる方法で知識・情報を得ている傾向が見られ、反面男性は証券会社のウェブサイトや書籍、セミナーが情報源で、能動的に情報収集を行っていることが垣間見られます。
投資への意識
続いて、Z世代の投資に対する考えを確認しました。
その結果、約3割が投資に興味を持っている反面で不安に感じているという結果となり、比較するとやや女性でその意識が強めです。男性は女性と比較すると、不安や危険性を感じていつつも、実際に投資行動を行っている層がやや多くなっています。この質問は2023年8月の聴取結果となり、2024年1月から開始した新NISAなどの新制度開始前、また円安が現在ほど進んでいなかったため、現在はやや異なる結果の可能性がある点は留意したいと思います。しかし、TV番組でもNISAやiDeCoといった資産形成についての特集が目立ち始め以前よりも身近な存在になっていることや、先行き不透明な経済状況を勘案して不労所得を持ちたい意欲の高まりなど、以前より興味を持ち始めていることは推察されます。
貯蓄・投資・節税対策は男女で違いが顕著に
次に社会人に対して貯蓄や投資、節税対策における現在の実施状況を確認しました。
その結果、性別で比較すると、女性は男性と比較して普通預金の実施率が高く、堅実的な姿勢が窺えます。対して男性は「株式投資」「投資信託」等の「投資」実施率がやや高い傾向にあり、男女で実施状況の違いが顕著に表れています。
貯蓄・投資・節税対策を行う理由
貯蓄や投資、節税対策の実施理由は、「自由に使えるお金を増やしたいから」が約3割で最も多く挙がっています。
男性は「資格取得、スキルアップのため」「早期リタイアのため」など自身のキャリアと結び付けた理由が目立ちます。女性は老後のために実施が最も多く、今よりずっと先のことを見据えている様子が窺えます。また女性では「購入したいものがあるから」「推し活・オタ活」「旅行」等の自己の趣味やレジャー関連と、「家族」「子ども」など自分以外のために使う理由がやや高いのが特徴的です。
消費活動も自分らしく
好きなものにはとことん集中してコスパが悪く感じるものは優先度を下げる。自分らしく生きるZ世代の価値観は消費活動にもつながっているように思います。
今回の調査では投資の実施率は2割でしたが、新NISAが開始された今、若年層にどう浸透していくのかも注目です。
以上、「Z世代のイマ ~若者のお金事情~」として結果のレポートをお伝えしました。
日本インフォメーションでは、 「Z世代」のインサイトに近づくべく、幅広い項目(※1)について意識や行動に関して聴取するインターネット調査を行いました。※1:食品飲料品の購入実態、時間の使い方、消費行動(お金)、推し活、気持ち・考え方 等
今後もそのデータを基に、Z世代の持つ特徴をテーマ別にレポートし、変化の激しいZ世代の動向をウォッチしてまいります。
今回の発表にあたり実施した自主調査のクロス集計データ(属性別分析を含める)、報告書を無料にて配布しております。※聴取内容(食品飲料品の購入実態、時間の使い方、消費行動(お金)、推し活、気持ち・考え方 等)
ご希望の方は「資料請求はこちら」からお気軽に問い合わせください。
※ご希望の資料欄に「Z世代のイマ~若者のお金事情~ 」とご記載ください
■会社概要
会社名:日本インフォメーション株式会社
所在地:東京都中央区銀座3丁目15-10JRE銀座三丁目ビル4F
代表取締役社長:斎藤啓太
資本金:5,500万円
設立:1969年12月1日
URL:https://www.n-info.co.jp/
事業内容:マーケティング・リサーチ事業、マーケティングコンサルティング 他
■本調査・リリースに関する問い合わせ先
日本インフォメーション株式会社 担当 :柴田・高峰・高澤
E-mail : ni_inquiry_report@n-info.co.jp