2020/07/08
執筆者: NIマーケティング研究所(集計分析担当) T.A
※NIリサーチャーコラムでは、当社の各リサーチャーが日々の業務等で感じた事を自由に紹介しています。
緊急事態宣言が解除され1ヶ月ほど経過し、人や経済も徐々に動きが見られるようになってきました。
私自身も完全から部分的なテレワークへ移行し、週に何度か出社するようになったのですが、朝の電車はかつての通勤ラッシュの様相にはまだ程遠いものの、日に日に目に見えて人が増えていき、ようやく本当に動き始めたのだと実感しているところです。
とはいえ、コロナ前と同じように・・・とは、そうそう簡単に戻れることはなく、電車に乗っても、コンビニへ行っても、ご飯を食べに行っても、一時的なものもあれば、今後それがデフォルトになっていくんだろうと思う様々な変化が見られます。
(コロナ騒動以前の)あの頃に戻りたい!という想いと、変わらなきゃいけない!という想いが錯綜し、まるで思春期から大人に成長した頃に経験したような、そんな葛藤の中でWith(ウィズ)コロナを歩み始めているような気がします。
緊急事態宣言下、感染リスクが懸念される中での会場調査(CLT)は、完全にストップしました。
会場調査(CLT)を含むリアル調査が完全にストップしている間は、インターネットリサーチで従来の手法を代替したり、GI/DIなど定性調査では一気にオンライン化が進み、オンラインインタビューが定着。
前のコラム(「やってみました!オンラインインタビュー」)で、メリット・デメリットを紹介させて頂いていますが、オンラインでできる事、利点が増えたこともたくさんある一方で、やはり会場調査(CLT)でないとできない、拾い切れないインサイトもある・・・ということを再認識した期間でもありました。
会場調査(CLT)がストップしている期間に、弊社においては、社内各部署横断で議論を重ね、あらゆる対策を考え、宣言解除後6月初頭にモニター来場型調査手法の実施再開を決定いたしました。
また、我々が考えた対策の告知をするのみで、クライアント様が安心して調査を実施できるとは考えずに、皆様の不安や懸念を少しでも払拭いただけるよう、対策についてのご説明をオンラインセミナーという形でご案内をさせていただく機会も頂きました。
(この対応は、今後の社会情勢、状況、政府や専門機関から提示されるガイドライン等の変更に伴い、また我々自身が気づいたこと、参加者の方々等からご提案があったことなど、都度見直しや変更を行っていきます。)
また実施にあたっては、リクルート時の回答や各方面の情報から精査し、モニターからの応諾率が調査を行うのに問題のない範囲であることや、調査への参加マインドや属性の分布などについても、対策をしっかり行えば、コロナ騒動前と大きくかわらないという確信も得ました。
そうして、あらゆる検証・対策を講じた上で、いよいよ会場調査(CLT)は再始動しました。
私も先日、自社会場で実施していた会場調査(CLT)を実際に見学しました。
対象者への健康状態等に関する事前確認や体温測定、入室時の手や靴の消毒の徹底、マスクの着用、調査員はフェイスシールドを着用、といった具合に、受付の段階から対策の徹底ぶりがうかがえたほか、入室後も、対象者間や調査員と対象者の距離がしっかりとられていること、また間仕切りの設置、サーキュレーターを配置した空気の循環・換気対策、使用後の机・椅子や呈示物などの消毒作業など、ありとあらゆる対策をとっている様子に、手前味噌とはいえ、感心してしまいました。
ただ、対策を徹底する上で、今までよりも少し時間を要することが増え、また一度に入室できる人数の制限により実施のコマ数などが増えるといったこともなどでてきてしまうようです。
クライアントの皆様にもご不便をおかけしている部分や、ご協力をお願いしている部分がでてきていることもあるのですが、今後そういった点を少しでも改善していけるよう、工夫や提案をさせていただくべく、日々社員一丸となって頭も体もフル回転で動いています。
宣言解除後、東京での感染者が100人を上回る日も続き、第2波への危機感はまだまだ続いていくであろう状態ではありますが、こうしたしっかりとした対策の中で、少しでも今までと変わらない形で会場調査(CLT)・リアル調査を実施し、クライアントの皆様のご要望に沿えるよう、私たちは日々邁進いたします。
「こんなことが心配」、「こんなことは大丈夫?」といったことからでも、お気軽に営業担当にご相談、お問い合わせください。
NIマーケティング研究所(集計分析担当) T.A
大学時代は社会調査を専攻するも、ロスジェネのさきがけ世代で、大学卒業時は就職氷河期真っ只中。
一度はシステムエンジニアとしての道を歩み始めるも、IT不況のあおりを受け、勤めていたSIerは倒産。
路頭に迷っていたときにネットリサーチの存在を知り、今までの経験をハイブリットできないかと調査業界へ転身。
ロスした分を取り戻すべく、デスク~現場をがむしゃらに走り続けて10余年。現職に至る。
現職では、主に消費財メーカー様の商品開発、市場分析などのテーマに集計分析から報告まで担当している。
マーケティングを「一生の仕事」に