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2022/11/24

NIリサーチャーコラム #27 日本人の知らない日本を解き明かせ!“インバウンドリサーチ”

執筆者: NIマーケティング研究所(集計分析担当) T.A

※NIリサーチャーコラムでは、当社の各リサーチャーが日々の業務等で感じた事を自由に紹介しています。

 

1)減っていく日本人、増えていく訪日外国人・・・のはずだった

 

元々、本コラムは2020年2月に掲載を予定していたのですが、一度お蔵入りとなりました。

 

当時、新型コロナ流行以前の日本は、人口が徐々に減少していく中で、増え続けていく訪日外国人のインバウンド需要が重要なマーケットとなりつつありました。

 

また2020年の東京オリンピックに向けての機運も高まっていく中で、当社でも訪日外国人を対象とした”インバウンドリサーチ”のご相談を頂くことは多く、街頭やイベント会場などでいくつもの調査を行ってきました。

 

しかし2020年、世界的に新型コロナが流行し、情勢は大きく変わります。

 

各国が渡航・入出国制限を行い、緊急事態宣言が繰り返し発出される中で東京オリンピックも1年延期。

 

訪日外国人数はコロナ前2019年と比べて、2020年は約87%減、2021年は約99%減。

 

 

事実上、当社も“インバウンドリサーチ”を実施することはできなくなりました。

 

そしてWithコロナで色々なことが少しずつ動き出していく中で、国際的な人の往来再開に向け、様々な対策や緩和が行われ、2022年春には外国人観光客の受け入れもいよいよ動き始め、10月にはいよいよ外国人の個人旅行も解禁されました。

 

本格的なwithコロナ時代の始まりとも言えますし、歴史的な円安水準が後押ししたとはいえ、「行ってみたい国日本」の魅力は健在だったということも証明されました。

 

その状況下で、当社も “インバウンドリサーチ”再開に向けて動きます!!(本コラムもリバイスしてお届けします!)

 
 

2)そもそもなぜ”インバウンドリサーチ”なのか

 

私たちがよく見る世界地図は「日本列島」が真ん中にあるものなので気づきづらいのですが、日本から欧米や東南アジア各国への飛行時間を考えていただくとわかるように、実は日本は世界の多くの国々からみて「とても遠い国」でした。

 

しかし、各国の経済状況の向上を背景に、インターネットの普及により日本の文化が世界各国に配信されたことや日本食ブームなども後押しし、政府の観光立国政策などもあって、コロナ禍前には日本への旅行者は年々加速度的に増加していたのは前述の通りです。

 

2010年以降、高品質の自動車や電化製品などを製造していたどこか遠い国から、「訪れてみたい国」に大きく変化したと言えるのではないでしょうか。

 

 

「爆買い」に象徴される物販店の売り上げ増、観光地の賑わいなどは、一昔前に、海外旅行に行った日本人が免税店に殺到し、カートンでチョコレートやナッツなどのお土産を買い、大型バスで大挙して移動する様子を彷彿とさせる、いやそれをはるかにしのぐものでした。

 

となれば、「外国人観光客に買ってもらえるもの」「外国人観光客が好むサービス」などを調査するニーズももちろんあったのですが、それ以外にも「ひょっとしたらうちの商品は海外でも売れるのではないか」「このサービスは海外でもニーズがあるのではないか」というプレ調査としてご活用いただいていたケースもありました。

 

日本に旅行に来られる外国人の方は、ビジネスではなく観光で来られる方は特に、日本に対して好意や興味を持ってくださっている方々です。

 

日本に来たことで、思いがけなく出会ったサービスや商品が、世界各国に広がっていくということはこれまでも様々なケースで見られましたが、訪日人数が激増していくことで、そのスピードはさらに加速し、機会も増大します。

 

また「海外で実際に調査をするほどでもないけれど、外国人の方々から自社の商品やサービスがどのように評価されるのか知りたい」というニーズにも対応できます。

 

今後、また訪日観光客の人数が回復してくれば、このような目的にも対応できる日が、遠からずやってくると我々は考えています。

 

さらには、今日本に来られる方々は、「様々な規制が緩和されたら、いち早く日本に行きたい!」と考えていた、大の日本ファンの方々です。
そのような方々にご意見をお聞きすることは、今後急速に回復していくであろうインバウンド需要をどこよりも早くつかむことにつながるのではないでしょうか。

 

3)“インバウンドリサーチ”の現場から

 

では、いままでは実際にどのように“インバウンドリサーチ”が行われていたのか、より詳しいフィールドワーク担当のA.Oさんに聞いてみたQ&Aからご紹介です。

 

Q:“インバウンドリサーチ”はどのような方法で行っていましたか?また、どんな内容の調査が多いですか?

 

A:主に、旅行で日本に来られた様々な国の方を対象に、観光スポットやホテル、イベント会場、空港などで、街頭調査やインタビュー形式などでの調査を年間約10~20本行っていました。
  調査の内容は詳しくは言えませんが、日本の商品やサービスに対する実態把握や評価、旅行中の行動把握や買い物実態など、ご要望は多種多様でした。

 

Q:対象は「外国人」として一括りでしたか?対象国を限定したり、国ごとに人数を指定したりすることもできますか?

 

A:訪日人数が多い、中国など一部の国では対象国を限定することもできましたが、アジア圏、アメリカ圏、ヨーロッパ圏などエリアを区切って設定をさせて頂くことが多かったです。
  特に街頭調査ですと外見だけで出身国を特定するのは難しく、苦労することもありました。
  また、獲得人数は訪日人数を参考に、目標数を事前に相談させていただいていましたが、今後は各エリアの情勢による影響も大きく出てくるかと思いますので、その時々の情勢に合わせてご相談となるかとは思います。

 

 

Q:外国人に話を聞くわけですから、様々な言語を使えないといといけませんよね。僕は英語すら不安です・・

 

A:インバウンド調査を始めた2015年頃の外国人旅行者は、グローバルな旅行に慣れした方が多く、英語圏でなくとも英語票で回答する方が多く見受けられました。
  しかし、徐々にビギナーの旅行者も多くなり、母国語での対応を求められる方も多くなりましたね。
  旅行先として日本がメジャーな国になってきた感がありました。
  そのため、実査を行う時は、予め調査票を複数の言語に翻訳したものを用意し、またその調査対象とした言語が堪能なスタッフを立てています。
  英語・中国語・韓国語などがメインですが、時にはフランス語やスペイン語が求められるなんてこともありましたが、しっかり対応し、旅行者の声を正しく、正確に届けられるようにしていました。

 

Q:最後に、訪日外国人に調査をするにあたって、何か気を付けていることはありますか?

 

A:旅行者を対象としているので、手間や時間をかけすぎることは難しく、調査の設計・質問ボリューム、内容などについては事前に相談をさせて頂いています。
  また、文化や習慣が異なることをしっかり念頭において、気を付けなければいけないこともしっかり下調べなどをしています。
  今後は、感染対策などの考え方などについても気をつけないといけないかもしれませんね。
  あとは調査協力者への謝礼品などはこちらで選定することが多いのですが、できるだけ外国人の方に喜んでいただけるようなものを選ぶようにもしています!
  せっかく日本に来ていただいた方々なので、調査も含め、楽しい思い出になってくれると嬉しいですね。

 

・・・・など、他にも色々お話を伺ったのですが、現場の声はこのあたりのご紹介までといたします。

 

4)“インバウンドリサーチ”のデータから

 

 

実際の調査後には集計や解析をさせて頂くわけですが、それ自体は通常の調査と何ら変わりはありません。

 

仮説通りの結果がでることもあれば、“インバウンド”ならではの予想の斜め上の結果となることもあります。

 

但し、データを読み解く際には、国内調査に比べ、少し注意をしなければいけない場合が往々にしてありました。

 

例えば、ある商品の評価を尺度評価で聴取した場合などに、日本国内での評価と大きな差が見られた場合、単純に外国人の評価が高かった・低かったといえるかどうかは、調査全体のデータの傾向を見て考えることがあります。

 

と、いうのも文化的な違いなどから、評価自体も日本に比べはっきり分かれる・・といったことなどもありえるからです。

 

忖度文化があると言われる日本人は、よほどでないかぎり「非常に悪い」といった評価はあまりしない・・といったような話もあります。

 

そのため、出てきた値をそのまま見るだけではなく、対象とした国の文化や習慣などを念頭におきつつ、調査結果全体の傾向の中で、その値がどのような意味をもっているのかを俯瞰することも必要となってきます。

 

このように実査現場の部分もそうですし、データを集計・解析、分析する際にも、思いのほか経験値が必要な調査です。

 

コロナ禍を経て、訪日外国人の意識や行動も様々に変化していることも考えられます。

 

どのような訪日外国人が増えていくのか?
今の日本に来て何を感じていくのか?
これからどのようなことが課題になってくるのか?

 

より皆様のお役に立てるデータをお届けできるよう、コロナ以前の当社の経験も十分に活かしつつ、まだまだ予断の許さないコロナの感染状況にも細心の注意を払いながら、これからの新たな“インバウンドリサーチ”に向け、各部署しっかり連携し一丸となって取り組んでいきます。

 

改めて、ご相談おまちしております!


執筆者プロフィール

フィールドワークグループ(フィールドワーク担当) A. O
 

調査歴:10年

年間担当本数:70本以上

過去担当本数:1000本以上

対応手法:CLT、定性調査、訪問観察調査、店頭調査、インバウンド調査など幅広い手法を経験

東京都目黒区出身 大学では主にファッションビジネスの仕組みについて学び、アパレル業界、音楽業界を経て現在に至る。

前職でのプロダクトアウトを主体としたコンテンツ制作から、マーケットインに興味を持ちマーケティングリサーチ業界に転職。

調査においては実態を捉えることが最大の関心事であり、フィールドワーク管理部で多様な情報を取集できる手法を日々探求している。

趣味はYOGAとナイトアウト&飼猫を愛でること。

 

NIマーケティング研究所(集計分析担当) T.A

 

大学時代は社会調査を専攻するも、ロスジェネのさきがけ世代で、大学卒業時は就職氷河期真っ只中。

一度はシステムエンジニアとしての道を歩み始めるも、IT不況のあおりを受け、勤めていたSIerは倒産。

路頭に迷っていたときにネットリサーチの存在を知り、今までの経験をハイブリットできないかと調査業界へ転身。

ロスした分を取り戻すべく、デスク~現場をがむしゃらに走り続けて10余年。現職に至る。

現職では、主に消費財メーカー様の商品開発、市場分析などのテーマに集計分析から報告まで担当している。

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