※NIリサーチャーコラムでは、当社の各リサーチャーが日々の業務等で感じた事を自由に紹介しています。


■伝えるための「言葉」の重要性

皆さんは、仕事やプライベートで生成AIを利用することはありますか?  

私も最近、生成AIを使う機会が増えてきましたが、その中で強く実感したことがあります。 

それは、自分の「語彙力」の少なさ、そして「表現力」の乏しさです。  

生成AIは非常に賢く、ほとんどの依頼にすぐ対応してくれます。

しかし、お願いしたい内容を「言葉」で正しく伝えられなければ、
返ってくる答えは求めていたものから大きく外れてしまうことがあります。

複雑な内容を伝えようとすると、意図がうまく伝わらず、
思いもよらない返答になることもしばしばです。

そのため私は

細かいニュアンスを含む依頼をする前に、
頭の中のイメージを正確に理解してもらうため、
まずはそのイメージをどう表現すれば伝わるのか、
AIに依頼するための「言葉」や表現方法を先にAIに相談する 

という、なんともいえない使い方をしてしまうことがあります。  

もっとも、これは生成AIに限った話ではありません。 

人と人との間でも、何かを正しく伝えるためには「言葉」を適切に選ぶことは欠かせません。
日本語の辞書には、およそ20万〜50万語が収録されているそうです。 

その中で、自分が使いこなせている言葉はほんのわずかだと思います。  

だからこそ、日々新しい言葉を覚え、使いこなせるようになることが大切だと、
技術が進歩した今、改めて強く感じています。

■ アンケート調査における「言葉」の重要性 — 質問編 —

アンケート調査も、基本は“質問”と“回答”の「言葉」のやりとりです。

何を知りたいかを“質問”で伝え、それに対する“回答”を受け取ります。

生成AIとのやりとりと同様、“質問”が適切でなければ、求める“回答”は得られません。

ただし、相手は不特定多数の、さまざまな人生経験を持つ人間です。

専門的すぎる言葉や難解な表現を使うと、意味が伝わらない人も出てきます。

幅広い意味を持つ言葉や微妙なニュアンスの言葉は、人によって解釈が異なる恐れがあります。

さらに、細かく正しく伝えようとするあまりに文章が長くなりすぎると、
読むこと自体を諦めてしまう人も出てくるかもしれません。

“質問”は多くの人が同じ意味として受け止められるよう、
限られた文字数でいかにわかりやすく伝えるか、「言葉」の勝負です。

当社では、この“質問”の作成ひとつひとつにもこだわり、
伝えるべきことを確実に届けられる調査票を作成することを心掛けています。

■ アンケート調査における「言葉」の重要性 — 回答編 —

一方、“回答”は、多様な背景を持つ人々からそれぞれ返ってきます。

選択式の設問であれば、適切に伝わる選択肢を用意することで対応できます。

しかし、フリーアンサー形式では、回答者が自由に記述するため、
そのままでは、言葉足らずなものや意図が読み取りにくいものも含まれてきます。

会場調査やインタビューなどのリアル調査では、その場でニュアンスを確認したり補足を求めることが可能ですが、インターネット調査では従来それができませんでした。

しかし、現在ではAI技術の導入により、オンラインでも回答のフォローアップが可能になっています。(※ AIによる回答フォローアップは最近リリースしたばかりですので、ご興味のある方は、ぜひ担当までお問い合わせください。)

こうして得られた回答は、そのままではただの膨大なデータに留まってしまいますが、

  • 選択式の回答は集計し、表・グラフなどを使って視覚的に整理
  • フリーアンサーは形態素解析などで傾向を抽出・整理

といった分析なども行い、結果をわかりやすくお伝えすることにもこだわっています。

“質問”から“回答”まで、サポートが必要な際にはぜひご相談ください。

■ 言葉だけでは伝えきれないこと

ここまで「言葉」で伝えることの重要性に触れてきましたが、
そうはいっても「言葉」だけでは適切に伝えられないことや、そもそも表す言葉が見つからないこともありえます。 

「言葉」は伝えるための強力なツールですが、あまりに細かく詳しい内容や、

無意識に行っているようなことなどは、すべてをうまく表現できるとも限りません。  

そうした「言葉」だけでは伝えきれないことを把握するために、
当社ではさまざまな調査手法をご用意しています。  

たとえば、「普段行っている〇〇の実際の使い方を細かく教えてください」という質問には、行動観察(エスノグラフィー)で実際の行動を確認する方法や、動画を撮影してWEB調査にアップしてもらう方法などをご提供しています。  

また、「売り場で購入する際の商品の選び方を教えてください」という質問には、
アイトラッキングを用いて視線の流れや注視している点を確認する方法も活用しています。 

このように、行動、視線や映像といったアプローチを組み合わせることで、
知りたかった事を「言葉」以外の方法でも伝えられる手段をご用意しています。 

 知りたい事に対する「言葉」がまだ曖昧な段階からで構いません。

「こんなことが知りたい」という想いを、まずは当社にご相談ください。 

様々な手法を駆使し、伝えることと伝わること、その両方を実現し適切に対応いたします。


執筆者プロフィール

以前まで当社で分析等を担当していましたが、ライフスタイルの変化により、現在働く場所や働き方を変えて勤務中。