※NIリサーチャーコラムでは、当社の各リサーチャーが日々の業務等で感じた事を自由に紹介しています。


マーケティングや商品開発の現場では今、「生活者のリアルな購買行動をどう捉えるか?」という問いに、

これまで以上に真剣に向き合う必要が高まっています。 

人口減少やニーズの多様化、チャネルの複雑化により、従来の意識ベースの調査に加え、「実際にどのような消費行動が起こっているのか」を捉えることが重要だと考えられます。  

こうした課題に応える手段として、「ID付きレシートデータ」(以下、IDレシートデータ)の活用があります。 

当社では、調査会社として長年培ってきた調査設計力と分析力をベースに、このIDレシートデータの活用をご提案しております。  

本稿では、IDレシートデータとは何か、なぜ今それが必要とされているのか、そして当社が提供するサービスの特長と価値について、具体例を交え紹介いたします。  

■「IDレシートデータ」とは何か?―“誰が・何を・どこで・いつ・いくらで”買ったかがわかるデータベース

IDレシートデータとは、生活者個人に紐づいた購買レシートの情報を、匿名化してデータベース化したものです。 

当社では提携会社が提供する約3万人の協力モニターが日々投稿するレシートをもとに、実際の購買行動を商品単位・個人単位で分析できる環境を構築しています。 

このデータには、下記のような購買情報が含まれています。 

  • 購入日時
  • 購入場所
  • 商品名
  • 購入数量
  • 購入価格
  • モニターの属性情報(性別、年代等)

つまり、「誰が・どこで・何を・いくらで・どれだけ買ったか」という情報が、時系列で追うことができます。

POSデータとの違いは、「人」ベースで分析ができる点にあります。

■なぜ今、IDレシートデータなのか?─調査結果と販売データをつなぐ「第三の視点」

従来、生活者理解の方法は大きく2つに分かれていました。

  1. 調査データ(意識データ):アンケートやインタビューで、生活者の意識や満足度を確認
  2. 販売データ(POSデータなど):販売実績をもとに、市場全体の動向やシェアを分析

上記の各データからも、有効なインサイトを得ることができますが、「第三の視点」として、実際の購買行動を踏まえたIDレシートデータが活用され始めています。

このデータは、ビジネス展開における仮説立案やターゲティングの精度アップにも有効と考えています。

■IDレシートデータの活用例─調査の設計から仮説検証まで

当社ではIDレシートデータをリサーチと組み合わせて活用することで、課題解決型のソリューションを提供しています。

以下は、実際の活用シーンの一例です。

①調査設計時のサポートデータとして

調査の設計段階で、IDレシートデータから購買実態を確認しておくことで、より具体的な仮説設定や定量調査実施時の設問設計が可能になります。

(例)「スナック菓子」の商品リニューアルにおけるニーズ把握調査
IDレシートデータにより、「既存商品のユーザー属性」と「他社商品の併買状況」などを事前に把握。
この結果をもとに調査対象者の条件設定、及び、調査票作成時には選択肢等の検討に活用できます。

②販売促進施策の効果検証に向けて

プロモーションや棚割り変更の前後で購買傾向を比較し、施策の効果を客観的に把握いたします。

(例)キャンペーンの効果検証調査
IDレシートデータにより、キャンペーン前後1ヶ月間の商品購入状況を時系列で比較。
加えて、定量調査も実施し、キャンペーン前後での商品認知状況や商品イメージを比較。

このようなデータの活用により、施策の効果をよりリアルに把握することができます。

■データの価値を最大化するために─「設計・分析」までサポート

ここまで、IDレシートデータの活用についてふれてきましたが、このデータはあくまで「素材」です。

目的や仮説が曖昧なままでは、表面的な分析で終わってしまい、活用しきれません。

当社では、このデータの活用と調査実施において、調査設計・集計・分析に強いリサーチャーが一貫して担当いたします。

マーケティングとは、生活者の理解から始まります。そして、生活者の理解とは、「言葉」と「行動」の両方をつかむことだと考えます。

IDレシートデータは、その「行動」の部分を補完する、非常に強力な手段です。

 

もし貴社が、「生活者理解に新たな視点がほしい」、「生活者の意識と購買行動が伴わない」など、お悩みのことがございましたら、弊社営業担当までお気軽にご相談ください。


執筆者プロフィール

CVSチェーンにて、店長、SVと店舗オペレーション業務を経験。
以降、調査会社にてリサーチャーとして調査設計~分析業務に従事。
外食、公共交通機関、食品、日用品など幅広い分野の案件に携わる。